発達障害を考える② 基本編
こんばんは〜
先週末は私事でバタバタしており、記事を更新する暇がありませんでした。
記事を更新したくて仕方がなかったので辛かったです(笑)
11/30に第一回公認心理師試験(心理業界初の国家資格)の結果発表があり、なんとか無事合格しておりました。
第一回だったので何もわからない中の試験で、正直不安しかなかったのですが受かっててよかったです。
資格が増えたからと言っていきなり何かが変わるわけではありませんが、臨床心理士がカバーしていなかった領域もしっかり勉強していきたいと思います。
全然関係ないですがgoogleアドセンスにも合格しました(笑)
さて、本題入ります!
前回の記事では発達障害に対する自分の考え方や捉え方を書かせていただきました。
発達『障害』は『障害ではない』という私見を語らせてもらっています。
この記事の中で、「発達障害という言葉だけ独り歩きしている印象を受ける」と書きました。
どういうことか。
要するに、『言葉は知っているけど、正しく理解している人が少ない』ということです。
日本において、発達障害という概念は比較的新しいと言わざるを得ません。
なので、日本国民全員が正しく理解するには、もうしばらく時間がかかると思います。
今はその過渡期なのかな、とも思います。
なので少しでも理解が進むように、今回は、『発達障害って結局なんなん?』というような、より基本的なところを書かせてもらいたいと思います。
発達障害の定義
発達障害者支援法では
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの
と定義されています。
…んー、なんか言い回しが少し古いような…
と思って中身を覗いたら、【平成15年3月の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」参考資料より作成】とありました…
15年前の言葉や定義をずっと使ってるのかよ…そう思わざるを得ないですよね。
でもまぁ、要するに発達障害とは、『自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(AD/HD)などを含んだ広い意味の言葉として使われている』ということですね。
さらに広義な学術的分類だと知的障害も含む場合がありますが、ここでは含まないで話をすすめますね。
分類
②注意欠陥多動性障害(AD/HD)
③学習障害(LD)
基本的には大きくこの3つに分類されると思います。
以下、カッコ内の言葉で表記させてください。
それぞれの症状は、また別の記事で丁寧に説明させてもらいたいと思いますが、ひとつだけお伝えしておきたいことがあります。
それは、①ASDという言葉に関して、「広汎性発達障害とかアスペルガー症候群とか言われた(聞いたことある)んだけど、今は使われないの?」という疑問に対しての返答です。
先ほど文部科学省の定義のところでも「少し古い」と書いたように、少し前までは高機能自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害という言葉が使われていました。
最近は減ったように思いますが、日本においてはアスペルガー症候群のことを『アスペ』と揶揄し、その言葉が相手を罵るために使われていたという悲しい現実があるため、ネガティブなイメージがついて回る言葉になってしまったようです。
一応、現在もこの言葉達が無くなったわけではないのですが、今は自閉スペクトラム症、ASDと言われることのほうが圧倒的に多くなった印象です(当事者や支援者の中では)。
アスペルガー症候群などの言葉はICD-10*1という世界保健機関(WHO)が作成した病気や障害の分類から来ているのですが、これは日本においては2003年から更新されていません。
一方、アスペルガー症候群や高機能自閉症などの小分類をなくし、ASDで単一化したのがDSM-5です。
DSM*2はアメリカ精神医学会が作っている、心の病気に関する診断基準のことで、現在使われている第5版は2014年に出ています。
第4版まではDSMもアスペルガー症候群などの小分類をしていましたが、割と最近変わったんですね。
まとめると、ICD-10にしたがうならアスペルガー症候群なども使われるけど、DSM-5にしたがうならASDで括られる、ということですね!
この分類はどっちが正しい、とかではなく、どう理解するかだと思うのですが、個人的には健常者と呼ばれる人も括ろうと思ったら括れるスペクトラムという概念が好きなので、DSM-5の『ASDでまとめてしまうという考え方』のほうが好きです。
このあたりの話はASDについての別記事で話したいと思います。
原因は?
先ほどの文部科学省の定義の中で、「脳機能の障害」とありました。
発達障害の原因は、未だわからないことの方が多いそうです。
しかし、脳の内側前頭前野や脳幹の働きが通常より弱く、神経伝達物質のセロトニンやオキシトシンというホルモンの分泌が少ないことが原因の一つじゃないか、ということはわかってきたようです。
そして、これらの脳機能が弱いのは遺伝要因が大きい、ということも明らかになってきています。
遺伝要因が大きいという事は、親も発達障害の可能性もあり、結果的に環境要因にも関わってきます。
個人的には、まるっきり遺伝要因オンリーなのは重度の方だけで、軽度の人にとっては環境要因もそれなりにあるのではないかと考えています。
ただ、ここら辺は程度の問題もあるので、一概に「こうだ!」と明言しにくいところだと思います。
大切なことは、その特性をどう理解するか、そして今後どのように特性を活かしていくか、あるいは対処していくかを考えることかと思います。
国や社会を嘆き、恨みたくなる気持ちはよくわかります。ほんとに。
しかし、そう簡単に障害者のために変わってくれないのがこの国です。
今ある環境の中で、できること、したいことを探していきましょう。
※発達『障害』という呼び方は好きではありませんが、記事の中では敢えて発達障害という言葉を使っています。中身は『発達障害=発達障害と呼ばれる人』のことです。
*1:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems:異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した疾病及び関連保健問題の国際統計分類
*2:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersの頭文字をとった略称。世界的に広く用いられており、日本では「精神障害の診断と統計マニュアル」「精神疾患診断統計マニュアル」などと呼ばれる。