しなやかなこころで、

臨床心理士Hecoのひとりごと

月経前症候群(PMS)~女性だけの問題じゃない!~

こんばんは!

 

1月は少し忙しいので、ブログを書く暇があまりありません(^_^;)

 

まぁ、マイペースにぼちぼちやっていきます。

 

 

さて、今日は月経前症候群についてお話したいと思います。

 

初めて聞いた、という方もおられるのではないでしょうか。

 

女性が生理前にイライラしやすくなったりすることは多くの人が経験として知っていることだと思いますが、その程度によってはこんな診断がつくのです。

 

これを知らずに自分や他人を責めたり、あるいは責められたりしているケースが多くあり、『理解が広まればなぁ』と思うところです。

 

 

  

生理について

 

まず、そもそもぼくがこの話をするにあたって「男性が生理について話題にするのってどうなの?」という層が一定数おられると思います。

 

特に日本では生理について直接話すことはタブー視されており、『女の子の日』『あの日』『月のもの』などなんらかの隠喩で表現されることが多いです。

 

以前と比べるとそういったタブー視は軽減されてきた気もしますが、まだまだ根強く残っているでしょう。

 

日本において生理は『穢れ』と捉えられてきた背景があるからだそうですが、細かいことは置いておくと、個人的にはこのタブー視はあまり理解できません。

 

『なんで生理って言ったらだめなの?』という答えを明確に出せる人がはたしてどれだけいるのかも疑問です。

 

このようなタブー的な空気は、男性の側からすると「触れてはいけない話なんだ」という認識になり、月経前症候群はおろか生理の基本的な知識すら敬遠させてしまう理由となってしまうと思います。

 

もっとフランクに、オープンに生理を扱っていくべきだと思いますし、それこそが女性の身体を労わることに繫がると思います。

 

下のリンクはフィンランドのCMだそうですが、日本では青い液体で表現される血が、きちんと赤で表現されていたり、男性が生理用品を買いに行く描写があったりと、日本との生理に対する意識の違いが感じられます。

 

www.youtube.com

 

ぼくも妻の生理用品をおつかいで買ったことが何度かありますが、妻が友人にその話をするとびっくりされたり、怒られたり、「いい旦那さんだね」と言われたり色んな反応が返って来るそうです。

 

その度に、「そんな過剰反応することかなぁ?」と首を傾げてしまいます。

 

生理は『穢れ』なんかではありません。

 

そのことに社会全体で真摯に向き合わなければいけない時代が近づいているのかも知れません。

 

 

月経前症候群とは

 

やっと本題です(笑)

 

月経前症候群(PMS:プレ・メンストラル・シンドローム)とは、生理が始まる10日~3日前ぐらいからおこる、イライラ、腹痛、眠気、頭痛などのさまざまな不快症状のことで、通常は生理が始まると軽快します。

 

『普段だったら気にも留めないことなのになぜかイライラする』『もやもや感が消えない』『妙に食欲がある、あるいは無い』などは女性はもちろんのこと、男性も聞いたことがあると思います。

 

 

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このような種々の症状が生理前に起こるのが月経前症候群です。

 

症状

 

〇身体症状の例…腹痛・腰痛・頭痛・肩こり・胸の痛み、張り・微熱が続く・眠気・ニキビができやすくなる・疲れやすい・むくみ・体重が増えるなど

 

〇精神症状の例…イライラ感・もやもや感・不安定・憂うつ感・無気力・集中力がなくなる・ボーッとする・朝起きられない・睡眠障害(不眠・寝つきが悪くなる)など

 

精神症状のみが際立って強い場合は月経前不快気分障害(PMDD)という診断になる場合もあります。

 

日本では約7~8割の女性が生理前になんらかの症状があると言われていますが、100人に5人ほどは生活に困難を生じるほどの強いPMSを示すと言われています(PMDDは100人に1人ほど)。

 

 

原因や予防

 

月経前症候群の原因ははっきりとはわかっていません。

 

しかし、女性ホルモンや神経伝達物質などが影響していると考えられてはいます。

 

つまり、神経伝達物質のバランスを崩してしまう『ストレス』は、月経前症候群の大敵と言えそうです。

 

また、これも直接の原因ではありませんがタバコを吸う、お酒やコーヒーの過剰摂取、間食が多いなどのバランスの悪い食生活をしていると月経前症候群になりやすいと言われています。

 

睡眠リズムなども言わずもがなです。

 

つまり、月経前症候群の予防には規則正しく、ストレスのかからない生活を目指す必要がありそうです。

 

 

 

一番つらいこと

 

月経前症候群の一番つらいことはその症状ではありません。

 

もちろん症状もつらいものですが、それ以上につらいのは『周りの人の無理解』です。

 

症状から家族に怒鳴り散らしたり、職場の上司とケンカしたり、ささいなことで落ち込み泣いてしまったり…その後に、『どうして自分はあんなことを…』と自分自身を責めてしまいます。

 

そんな時に、「今はそういう時期だからね」と理解を示してくれる人が周りにいたら、それだけで救われることもあると思います。

 

患者さんの中に、月経前症候群の症状からなかなか思うように育児や生活ができない方がいます。その方は姑から「私の時はそんなことはなかった。育児が大変なのは当たり前。怠けるな」と言われて傷ついていました。

 

生理痛や月経前症候群のつらさや重さは千差万別です。

 

同じ人でも月によって違います。

 

ぼくはそんなことは常識と思っていましたが、人によっては違うようです…。

 

 

まとめ

 

長々と書きましたが、結局ぼくが言いたいことは『生理は女性だけの問題ではない。パートナーである男性は自分のことのように考えて、理解を示していこうぜ!』ってことだと思います。

 

育児に関してもですが、どうも日本の男性はここら辺に疎い気がします。

 

育児や家事を『手伝う』と言っているうちは『まだまだ昔ながらの「男性は外で働く、女性は家を守る」的なイメージが根強く残ってるんだなぁ』と思います。

 

しかし、ここ最近で急激に変わってきている点でもあると思うので、時代に置いていかれないように意識改革していきましょう!

 

最後に、生理中にパートナーとなる男性が気にかけるべきこと、という記事があったのでリンクを貼っておきます。大変わかりやすいです。

www.kashoku-kyoshoku.info