吃音症(どもり)~理解が何より大事~
こんばんは。
今日は吃音症について書きたいと思います!
いわゆる『どもり』と言われるものですね。
つまり、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のことです。
この記事で一番伝えたいことは、吃音そのものよりも、吃音が原因となる二次的な症状について考えて欲しい!ということです!
ではいきます。
吃音の種類
吃音は大きく分けて以下の3種類あります。
①連発…語句の一部を繰り返す
例「ぼぼぼぼ、ぼく」
②伸発…語句の一部を伸ばす
例「ぼーーーーーく」
③難発(ブロック)…最初の語句が出ない
例「・・・・ぼっ、・・・ぼっ、・・」
難発が一番つらいと言われています。
これらに加えて、『回避』というものもあります。
回避は、吃音を自覚するようになってから起こります。
話す場面や相手を避けてしまう、あるいは苦手な言葉を意図的に言い換えるなどです。
吃音の経過
複雑な会話をし始める2~5歳くらいの間に発症することが多いとされています。
有症率は大体5%(100人中5人くらい)で、男女比は4:1です。
基本的には一過性のもので、自然になくなっていきます。
吃音が生じて3年の自然回復率(特別な治療をしなくても治る率)は、男子で6割、女子で8割と言われています。
しかし、1%くらいの確率(100人に1人)で成人しても症状が残るとも言われています。
吃音への対処
①吃音の症状をしからない、意識させない、自然に関わる
→吃音が出るのがいけないことだと思わせない
②話し方ではなく、話の内容に注意を向ける
③吃音がどんな時に出て、どんな時に出ないのかを考える
→出にくい環境に気付き、その環境を作れるようになる
④話し方の訓練をする
→舌や唇の力を抜いて、やわらかい声で、ゆっくり話す
⑤吃音についてオープンに話すことができる関係作り
→二次障害(からかわれる、自信をなくす)などに素早く気付ける
などが、対処として挙げられるかと思います。
一人で悩まずに周りに相談することも大切です。
吃音そのものの治療の専門家は言語聴覚士になります。
一般社団法人日本言語聴覚士協会や、各都道府県にある言語聴覚士会のホームページで、言語聴覚士のいる施設を調べ、相談に行ってみてください。
二次障害
冒頭でも書きましたが、この記事で一番伝えたいのはここです。
個人的には、吃音のより深刻な問題は、吃音の症状そのものではなく、ここにあると思っています。
つまり、吃音が原因で『からかわれる』『人と話したがらなくなる』『言いたいことが言えずにいらいらする、もどかしい』『対人場面で緊張する』などが起こり、さらに言えば『不登校』『自己肯定感の低下』『社交不安障害』などのより深刻な状態に至ることも考えられます。
逆に言えば、『吃音があっても気にしない』ようになれば、上記のような二次障害はかなり軽減されると思います。
そして、そのためにはやはり、周囲の『吃音に対する理解』が必要不可欠になりますね。
吃音に対して、周りの人は何も特別なことをする必要はないと思います。
ただ、『そういう症状があることを知り、それに対して過剰反応せず、自然に関わること』。
これだけです。
ぼくが以前見ていた中学生の男の子は、
「ある友達の前でだけは、吃音や回避(別の言葉に言い換えようとする)ことをあまり意識しないで話せている。たぶん、その友達の前でが実際に吃音は少なくなっていると思う」
と言っていました。なぜか理由を尋ねると、
「そいつは全然気にしないことがもう分かってるから」
と答えました。つまり、そういうことなんです。
以前もチックの記事↓で、『社会で作られた障害』という言葉を使いました。
実際、吃音が社会生活を送る上での障害となってしまった人の声も上がってきています。
この記事の方は、吃音がありながらも多くの人に吃音を知ってほしいという思いで、自身の体験談を話してくれています。
それこそ、どもりながら。
そのプレッシャーたるや、いかほどのものだったでしょう。
このような人の決死の勇気を無駄にしてはいけない、と思います。