しなやかなこころで、

臨床心理士Hecoのひとりごと

【書籍レビュー】バカとつき合うな

こんばんは。

 

 

久しぶりの書籍レビューです!

 

 

今話題の『バカとつき合うな/堀江貴史・西野亮廣を読んでみました。

 

 

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タイトルから面白さがにじみ出てますね(笑)

 

 

キングコングの西野さんの考え方が好きなので手に取った書籍でしたが、読み終わった後は堀江さんのことも好きになっていました(笑)

 

 

まんまとやられたなーと思います。

 

 

 

 

 

 

どんな本?

 

 

さて、人は社会の常識、ルール、社内規則、人間関係、色んな事に縛られて生きていると思います。

 

 

でも、「その『縛り』って誰が課しているもの?」

 

 

ぼくは常々そう考えていました。

 

 

例えば、『学校は絶対行かなければいけないところだ。』という『常識』があります。

 

 

じゃあ、学校に行かなければどうなるのか。

 

 

人によっては「勉強ができない。」「友達ができない。」「部活ができない。」と言うでしょう。

 

 

でも、それって正しいんですかね…?

 

 

勉強は家でもできます。友達は今の時代、ネットでもできます。部活じゃなくてもやりたいことはできます。

 

 

そもそも、勉強をしなければならない理由も、友達が多くいなければいけない理由も、部活動に励まなければいけない理由も、本当はありません。

 

 

それらを当然のように推奨してくる親、先生、大人は数えきれないほどいると思います。

 

 

そのような誰かに作られた『常識』を当然のように押し付けてくる人に反して、「常識なんかないんだよ。自分の好きなことをしていいんだよ。」と教えてくれる、というか考えるきっかけをくれるのが、この本だと思います。

 

 

  

個人的におもしろいなーって思ったところをピックアップしてご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

学校を盲信するバカ/堀江 貴史

 

 

現在は学歴幻想が崩れ、いわゆるいい大学に行くことが理想のルートとは言えなくなっています。

 

 

それでもやはり、多くの人が『いい会社に入るために』『いい大学に入るために』勉強をしろ、と言うと思います。

 

 

堀江さんは学校を『従順な我慢体質を刷り込む場所』と揶揄しています。

 

 

『親や先生の言うことをきくいい子ちゃん』『出題者の意図を忖度して答えを出していくテストが高得点の人』が優等生としてもてはやされる社会が学校だ、と。

 

 

社会に出ても、上司の言うことを従順に聞く人が出世していくのが日本社会ですよね。

 

 

学校はその都合のいい歯車を作るためのシステムの一部とも言えるかもしれません。

 

 

学歴エリートの得意科目は、数学でも英語ではない。

彼らの本質的な得意科目は、従うことと我慢することです。

 

 

なんかもう、素直に「なるほどなぁ~」って思っちゃいました(笑)

 

 

特段何か行動を起こすわけでもなくても、このような視点で、社会の常識を疑ってみる、というのは有意義だと個人的には思います。

 

 

『盲信』とはそこに個人の思考が入っていません。

 

 

それをきちんと『自分で考える作業をしていく』、それが『常識を疑う』ということに他ならないと思うからです。

 

 

 

善意なら何でもありのバカ/西野 亮廣

 

 

これはつまり、自分がいいことをしていると信じて疑わないバカのことだそうです。

 

 

作中の例えでは、

 

むちゃくちゃ風が強い日に、自転車が倒れまくっていました。そのまま通り過ぎようと思ったのですが、あるおばちゃんが、倒れてる自転車を片っ端から立たせていくんです。で、ぼく、さすがにガマンできなくなって、おばちゃんが立たせた自転車を片っ端から寝かせてったんです。

 

と、あります。

 

 

つまり、強い風がまだ吹いている中で自転車を立たせても、また倒れるだけで、今度倒れたときは自転車が壊れる可能性がある、ということですよね。

 

 

おばちゃんの中では、『倒れている自転車を起こしてあげること』=『善行』であり、それはもはや理屈ではなくなっている。

 

 

これについて、「善行が思考停止をする口実を作ってしまっている」と西野さんは言っています。

 

 

善行はその言葉の通り、『善い行い』です。

 

 

しかし、どんな時にも、あるいはどんな人にでもあてはまる『善い』なんかあるのでしょうか。

 

 

ある人にとっては『善い行い』でも、別の誰かからしたら『悪い行い』の可能性もある。

 

 

「どっかで誰かがやってること」「ふつうはそうするでしょ」みたいな、表面的な『善行』をせずに、本質的な、本当の意味で相手の助けになることを自分で考えて行動する必要がある、ということかなと思います。

 

 

要するに、ちゃんと考えろよ!ってことだと思います(笑)

 

 

前述した堀江さんの学校教育に関する話も、要は一緒のことを言ってますよね。

 

 

 

 

堀江さんと西野さん

 

 

最後にこの本の著者について少し触れたいと思います。

 

 

この本は『バカ』という耳触りとしてはよくない言葉を使って進められています。

 

 

バカ呼ばわりして他者を否定しているように見えるのも無理ないことだと思います。

 

 

でも、この2人は本当に人間が好きなんだろうなぁ、と思います。

 

 

そうじゃなかったら、わざわざこんな風に他人の人生のことを気にしたりしません。

 

 

本書の中でもありましたが、バカ呼ばわりについても否定しているように見えて否定してません。

 

 

ひとりでもふたりでも、教育界や日本社会そのもののシステムのおかしさに気付いてもらって、このシステムから自由になって、人生をよりよく生きれるような知見を広めたいんだろうなぁ、と思います。

 

 

大袈裟にいうと、ぼくらのために社会のルールを変えようとしていた、と言ってもいいかもしれません。

 

 

また、『余計なお世話はヒーローの本質』(僕のヒーローアカデミア)という言葉もありますが、お2人の行動はまさにそれかもしれません(笑)

 

 

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まぁ、なんにせよ、この本を手に取ったものとしては、きちんとこのお2人の思いを受け止めたいところではあります。

 

 

そして、それはぼくの中では『ちゃんと考えて行動する』ということに他ならないです。

 

 

社会、善行、常識、マナー、慣習など、『そうと決められている』ことに対して、自分でクエスチョンを出し続け、行動に移せないまでも、納得して生きていけたらと思います。

 

 

 

 

おもしろいかつ読みやすい。ということで1時間半ほどで読めてしまいます!

 

 

みなさんも手に取ってみてください(*^_^*)