【書籍レビュー】甘えの構造/土居健郎
こんにちは。
今日は心理学的にも一般書としても有名な『甘えの構造』についてレビューしたいと思います!
これも以前記事にした『夜と霧』と同じく読みたかった本のひとつです。
以前の記事はこちら↓ ついでに読んでくれたら嬉しいです\(^o^)/
『「甘え」の構造』って?
心理学者の書いている名著としてあまりにも有名な本のことです!
この本の作者は精神分析医として有名な方で、心理学の世界では名前を知らない人いない(たぶん)ほどの人です。
そしてこの人を有名たらしめたのが、この本の存在です。
ざっくり要約すると「甘え」という日本人特有の精神構造を解き明かすことで、いわば「日本人論」「日本人観」について論じている本です。
どちらかと言うと、精神構造そのものよりも、そちらに重きが置かれている印象で、だからこそ多くの文化人類学者や社会学者に読まれる本ともなったいるのでしょう。
何か国語にも翻訳され、日本人だけではなく、日本に興味のある外国人が日本人を理解するために読む本ともされているようですね。
内容は、正直難しいです(笑)
なんでもかんでも「甘え」で説明しようとするのも無理があるんじゃないかなーって思ったり、結局「甘え」の精神構造は?ってなったりしました(笑)
そんな本でしたが、分かる範囲で、できるだけ分かりやすくご紹介したいと思います。
「甘え」とは
まずこの「甘え」なる概念、驚くことに外国には存在しないらしいんです。
ただ、ここでいう「甘え」とは単純な『子が親に甘える』だけではない、深い意味があるようです。
例えば、
①誰かに何かを頼む
↓
②相手はそれに対して承諾してもいいし、断ってもいいはず。要は選択権があるはず。
↓
③相手がそれを断った時、そのことに対して不満を感じる
この③!不満を感じる心理!
もちろん不満に思わない場合もあります。
が、誰しもこういう場面を経験したことがあるのではないでしょうか。
その心理こそが、「甘え」に由来すると土居さんはおっしゃっているのだと思います。
上の例を簡潔にすると、「相手に選択権を与えておきながら、それが自分の意に沿わないと気に入らない」ということなのですが、この背景には『相手は自分のためにこれをしてくれるはずだ』という自己中心的な期待があるということです。
この自己中心的な他者に対する期待こそが「甘え」なのかな、と解釈できます。
これが欧米の場合だと(※筆者は日本から出たことがありません)、「OK. Also ask you.haha」みたいな感じでさらっと終わるのでしょうか。
そして、このような相手の行動を自己中心的に推し量り、相手がその通りに動くはずだという根拠のない自信が、個人の内に根付いているのが日本社会なのだと思います。
日本人は嫌われたくない人種
怒られる技術↓でも触れましたが、日本人は怒られたがらないですよね。
もちろんぼくもできることなら怒られたくないです(笑)
なぜ怒られたがらないのか。
それは他者に嫌われたくないから、という見方もできますよね。
少し話はそれますが、日本人は「申し訳ない」とい言葉をよく使いますよね。
何かしてもらった時に「ありがとう」だけではなく、「ごめんね、ありがとう」と「ごめん」をつけたり、「すまんね」と詫びの言葉を用います。
これは、その何かしてもらった際の労力に対して詫びを言っているのだと思いますが、なぜ詫びを入れる必要があるのか。
本書ではこの点について
詫びないと、相手が非礼と取って、その結果相手の行為を失いはしないかと恐れるためといえないだろうか。
すなわち、相手の行為を失いたくないので、そして今後も末永く甘えさせて欲しいと思うので、日本人は「すまない」という言葉を頻発すると考えることができる。
と述べられています。
つまり、相手の労力や迷惑を想像してまで詫びを言うのは、「今後も関係を続けさせてね」というメッセージを発信していることになり、これがすなわち「甘え」だということでしょう(たぶん)。
日本人はそういう意味で「甘え」たがりな人種で、ポジティブに言ったら人との関係を大事にする人種とも言えるのかな~とか考えていました。
土居さん自身は「甘え」を良いものとも悪いものとも定義しておらず、ただの特性のように思っていたと思います。
詫びとかクッション言葉とかは、日本においてはむしろ重要な社会的スキルと言ってもいいかもしれませんしね。
その他にも「遠慮」とか「内と外」と色々面白そうなネタがあるんですけど、長くなるし、たぶんうまく伝えられないのでここら辺でやめておきます(笑)
なんとなくでも「甘え」概念が伝わったらいいかな~と思って書いてるので!
時代が違うので「ん?」って思うところもありますし、文章が難しいのですが、機会と興味があったら是非読んでみてください~