しなやかなこころで、

臨床心理士Hecoのひとりごと

メタ認知によって得られる大きなメリット

こんにちは~

 

最近指をガラスコップの破片でざっくりいってしまい、救急で縫ってもらったHecoです。

 

みなさん、ガラスコップを洗う時は慎重にいきましょう…

 

 

さて、今日は【自分を見つめること】と題しまして、メタ認知の話をしたいと思います!


聞いたことある方も、ない方もいますよね。


なんか難しそうに聞こえるこの言葉、蓋を開けてみたら「あ、そのことね!」ってなると思います。


みなさん、多かれ少なかれ自然とやっていることだと思います。

 

目次です(*^^)v

 

 

 

歴史や定義


メタ認知は1970年代にアメリカで誕生した概念です。


メタ(meta)とは「高次の」を意味する接頭語ですね。


定義は、『自己の認知活動(思考とか知覚とか感情など)を客観的に捉え、評価した上で制御すること』だそうです。


『認知を認知する』とも言えます。


要するに、自分が「考えている(た)ことや感じている(た)こと」を考える、みたいなことです。


客観的、俯瞰的に自分を見て評価する感じですね。


まだ、なんのこっちゃ、ってなる人が多いと思います。


具体例を出していきましょう。

 


例えば、友人と喧嘩をしてしまって言いたくもないことを言ってしまったとします。


それについて「あぁ、自分はどうしてあんなことを言ってしまったんだろう。もう少しこういう言い方をしたらよかった。」のように自己を振り返り、その先の行動についても考えること、ということです。


あるいは、人と話す時に、「自分ばっかり話してるな。もう少し相手の話を聴くようにしよう。」のようなこともメタ認知をしていると言えます。


かの有名なソクラテスの名言『無知の知』も言ってしまえばメタ認知のことです。


「自分が知らないということを知れ」ということですから。

 

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ソクラテス

メタ認知することのメリット

 

では、「メタ認知ができるからなんやねん、なんかええことあるんか?」ということについて考えていきます。


まず、自己を客観視するわけですから、自分がどのような人間か分析できるようになります。


どのような人間、とまでいかなくても、例えば、自分は「こういう場面ではこう振る舞う人間だ」というような行動(あるいは思考)パターンがわかるようになってきます


そして、それらのパターンがわかってくると対処方法や解決策が見えてきます。


例えば

 ①後輩のなにげない言動にイライラする

 

 ②どうしてイライラするのか考える←メタ認知

 

 ③「後輩は普通ならこう動くはずだ!」という自分の認知パターンに気づく

 

 ④後輩とそれを話し合い共有する。あるいは、自分の中でその「普通なら〇〇はずだ」という認識を改める。

 

④はあくまでも一例に過ぎないので、もっといい解決策があるかもしれません。


なんにせよ、原因となる認知がわかれば、それに対する対処方法も見えてきます。

 

結果的に、自身の悪感情や行動が変化することにつながります。

 

ケンカにおけるメタ認知


ケンカ中など、イライラしたり、混乱している時、感情が優位になっている時はこのように自分の思考や言動を振り返る余裕がないかもしれません。


しかし、その感情の波が通り過ぎたあと、「自分に非はなかったかな、言い方キツかったな」など振り返ることはとても大切です。


また、最も大切なことは『振り返ったことを、相手ときちんと共有すること』です。


自分の中で解決した気にならず、「あの時はこういう気持ちだった。」「あの言葉が嫌だったからそうなってしまった。」「あの言い方はきつすぎた。」などきちんと伝えることが大切です。


親友でも、夫婦でも、兄弟でも、恋人でも、結局は自分とは違う人間です。


何を考えていたか、何を考えているかは絶対に理解しきれません


だからこそ、その時々の感情や考えを言葉にして伝えることが大切だとぼくは思います。


そしてその感情や考えなどに気づくために、メタ認知を意識することが役に立つかもしれません。

 

 

おまけ

 

余談ですが、メタ認知も含む大きな概念にEQ(Emotional Quotient)というのがあります。


心の知能指数と訳されてます。


これは、自己の感情に気づきコントロールする能力や、他者の感情に共感、理解する能力を含む幅広い概念です。


一時(今でもかな?)ビジネス分野で流行ったみたいです。


卒論で使った概念なのでこれについても記事にできたらいいなぁ。